スパイクのつま先に着けるカバーの加工。
野球をしているほとんどの方がこれまでに着けた経験があるのではないでしょうか?
今回はつま先のカバー加工の中でも最上級のヌイピー加工についてお話ししてみます。
今回はゼットプロステイタス限定スウェード×メッシュモデルに加工をしました。
柔かいスウェードとメッシュはヌイP加工との相性がばっちりです!!
スパイクのカバーの種類は?
スパイクにつけるつま先のカバーには種類があります。
少年用スパイクから学生、社会人の選手まで対応できる釘打ちのカバー(P皮)が1番よく知られていますよね!
パカパカタイプのカバーなんて言われたりもします。
釘打ちタイプですぐに取り付け可能で、ショップで買ったその日に持ち帰ることができることが多いのがこの簡易タイプのカバーです。
価格も安く交換も簡単なことから1番選ばれるカバーではないでしょうか?
その他にもレザータイプの釘打ちカバーもあります。
今回紹介するヌイピー加工は機能性に優れ作業工程に手が込んでおり、購入してから一度お預かりになることが多い加工です。
各種カバーの中でも高額な加工になります。
そんなヌイピー加工の全工程を紹介してゆきます。
ヌイピー加工 皮の裁断
まずはヌイピー加工に使うレザーです。ヌイピー加工専用に加工された牛レザーを使用します。
この一枚革使用します。
投手用、野手用それぞれカットする形状が異なります。
今回は野手用ヌイピーのためつま先にコンパクトなカバーを加工します。
ヌイピー加工 レザーをスパイクに接着
裁断したレザーを皮用ボンドで接着していきます。スパイク側面、つま先にシワがよらないよう伸ばしながら貼り付けます。
ヌイピー加工 ソールと縫い付け
皮を裁断し貼り付けたらソールと本体の間をステッチャーで縫い付けていきます。
一定の間隔で一定の場所に一か所ずつ丁寧につりこむように縫い付けします。
ソールと本体の間に入れ込みながらシワができないように加工することが大切です。
縫い合わせが終わったらフチの部分を切り取ります。
ヌイピー加工 アッパー縫い付け
次にアッパー(本体)を縫い付けます。
これにより外部からカバー内に土が入ってくることがなくなります。
ピタッとつま先部にフィットし違和感のない履き心地でプレーできます。
ヌイピー加工 つま先コーティング
最後の工程です。
つま先の耐久性を高めるためのコーティングをします。
今回は野手用のため広範囲には塗らずつま先の1番擦れるところだけを意識してコーティング剤を塗り付けました。
僕はいろんな選手の要望を聞き、耐久性を高めるために最後の工程でコーティング剤を厚く塗ります。
完成です。
ゼット限定のスウェード×メッシュアッパーにとてもよくマッチしており、見た目、機能性共に優れた仕上がりになりました。
ヌイピー加工のメリットは?
今回紹介したスパイクカバーの最上級ヌイピー加工の1番のメリットは、本体と一体化してくれることです。柔らかい牛皮を使用しフィット感が高いため、つま先に違和感がありません。
使うほどにスパイクに馴染んでゆくのもヌイピー加工ならでは。
またこのヌイピー加工は擦れた時にコーティングをしてお手入れすることができます。
練習後によく擦れるポイントにコーティング剤を塗っておけば次の日には固まっているので塗るたびに強度を保つことができるのです。
また、P皮と本体の間に土が入って不快な思いをされたことがある方もいるかと思いますが、本体としっかり縫い付けをするヌイピー加工は土が入ってくる心配もありません。
最後に
今回はヌイピー加工の工程を紹介しました。
手の込んだこの加工はやはり価格が高くなります。
しかし、高機能で見た目もかっこいいため人気の高いつま先の加工です。
野球ショップでカバーの加工を依頼する際に参考にしてみてくださいね(^-^)