完全手作りキャッチャーミット 究極のモノづくり 野球工房9tool

スポンサーリンク
キャッチャーミット

野球が本格的なシーズンに突入し盛り上がりを見せています!

9tool factoryは完全手作りでオリジナル作品を制作したり、グローブやスパイクの補修メンテナンスを行なっています。 

今回はそんな9toolのオリジナルアイテムであるキャッチャーミットの制作ストーリーをお伝えします!

スポンサーリンク

完全オリジナル、完全手作りのキャッチャーミット

これまでに多数のキャッチャーミットを制作してきました。

元々私ははスポーツショップの野球担当を長年務めていた経験があり、リペアマンとして活動していたのですが、自分のオリジナルアイテムを作ってみたいという思いからキャッチャーミットの制作に取り組んだ経緯があります。

素材の選定から裁断や縫製、組み立てまでを全て9tool factory内で完結させる世界に一つの作品です。

ショコラカラーのミットを完全手作りする

今回メインで使用するレザーは、国産ステアを使用したショコラカラーです。

暗めのブラウンカラーがとても渋くオイリーなレザーとなっています。

今回はこのレザーを使って作品に仕上げていきたいと思います。

キャッチャーミットの各パーツを切り出していく

普通のグローブやキャッチャーミットのメーカーさんだと、各パーツの切り出しは機械が行います。

指定の型枠がセットされておりプレス機で一気に抜き取っていくという感じです。

しかし私の工房ではひとパーツずつを手断ちによりハサミにて裁断していきます。

ミリ単位での細かな作業となり少しのズレが見た目の悪さに直結するとても神経を使う作業です。

切り出した各パーツに紐穴、通気穴を開ける

各パーツの切り出しが終わると各パーツに紐を通す穴、背面の通気穴を開けていきます。

ミットにはこれだけ多くの穴が空いているのですが、もちろんここも手作業。

一つずつポンチとハンマーを使いひたすら穴を開けていきます。

機械化されているグローブやキャッチャーミットの作成現場と比べるととても効率が悪く大変な工程が増えます。

大量生産は難しいものの、一つずつ丁寧に世界に一つだけのキャッチャーミットという作品を制作しています。

手作りならではの暖かみのある仕上がりになるのも9tool factoryのキャッチャーミットのならでは。

9tool factoryのレザーラベルを取り付ける

切り出し、穴あけが終わるとこの作品に命を吹き込む作業です。

9toolが採用するのはレザーワッペンです。

今回は厚みのある国産ナチュラルレザーを使います。

3mm厚のレザーの縁を漉き立体感を出しました。

今回のメインカラー、ショコラがかなり渋く経年劣化も楽しめそうなアイテムになりそうなのでレザーワッペンにもナチュラルレザーを採用し、使うごとにレザーの変化を楽しめる仕様にしています。

さらに、独特な角4点縫い留め加工を施し他にはないオリジナルアイテムへ仕上げていきます。

各パーツの縫製と微調整

パーツごとに下処理と基本的なパーツ作成が終わると、いよいよそのパーツ達を縫製していきます。

このパーツの縫い合わせが一番気を使う最難関ポイントです!

私は手回し八方ミシンで作業していくので、固定力が弱く失敗のリスクも高くなります。

縫製のズレは機能性はもちろん、見た目に大きく影響するので細心の注意を払い進めていきます。

背面パーツ、ヘリ革、捕球面パーツをそれぞれ縫い合わせていきます。

この際指の感覚や形状の微調整をし、組み上げた際に違和感なく着用できるようにイメージしながら作業を行います。

今回はシャンパンゴールド糸を使います。

本体色の渋いショコラカラーとのいい感じのグラデーションが期待できそうです!

手首裏に厚めのスポンジ材を組み込みフワフワで心地よい着用感のパッド仕様を採用しています。

キャッチャーミットのウェブ作成

次はウェブを作成していきます。

ウェブに関してももちろん型抜きはハサミでの切り出しと穴あけも手作業で行います。

ウェブに関しては、しっかりした形状で切り出し、真っ直ぐ均等に縫製を行わないといけないためこちらもなかなか難しい作業となります。

基本的に私の作成するキャッチャーミットの工程で簡単な箇所はなく全作業に集中力を使います。

なんとか上手く作成することができました!

打球が当たる部分には裏からアテ革補強を施し耐久性も確保しています。

捕球面パーツの作成

次は捕球面のパーツを作成していきます。た

ダイレクトにボールが当たる部分になるため、裏からしっかり補強をし耐久性を高めます!

ウェブ下にあたる部分とターゲット部分を縫い付けていきます。

ターゲット部分に関してはこの湾曲がとても難しいポイントとなります。

背面、手のひら、捕球面、ウェブの各パーツの作成が完了しました。

今回は渋いオイリーレザーのショコラを使用しているため本体は同一のカラーリングです!

背面パーツを取り付ける

今回、順序が少しバラバラとなってしまいましたが、次の工程は超最難関の背面と手のひらパーツの結合です!

ここを繋ぎ合わせるとだいぶ全体の形が見えるようになってきます!

作成した背面のパーツを手のひらに取り付ける工程は、おそらくミット作成で一番苦戦した箇所でもあり失敗も数多く経験しています。

背面結合の2本目のステッチが入りました!

ここまで来れば安心。

背面パーツ•捕球面パーツにヘリ革を取り付ける

背面パーツ、捕球面パーツが完成するとこの2枚にヘリ革を取り付けていきます!

今回はショコラカラーに一番近いダークブラウンカラーを取り付けていきます!

2枚のパーツの縁にヘリ革が取り付けられました。

このミットかなりかっこよくなりそうです!

この時点で大体の全体のフォルムが確定しますので残る工程も少なくなります!

まだまだ制作は続きます!

芯材(パン)部を作成する

お次は中に挟む人材を作成していきます!

芯材パーツは捕球面は一枚ですが、両サイド指芯部分は複数枚のパーツを貼り合わせて作成します。

この芯材作成の作業が苦手です…

切り出した芯材パーツは縁を削ったりローラーで整えてたりしながら手作業で行なっています!

ちなみに、9toolへのご依頼で多いのはこの芯材作成です!

芯材が完成しました。

手をはめた際の違和感のないよう気をつけながら漉きを入れたりやすりで削りながら作成しました。

紐通し•組み上げ

全てのパーツを作成すると、いよいよ最後の組み上げです!

ここまでくると全体の完成図が見えています。

今回のショコラモデルは確実にいいものに仕上がると途中の段階で確信していましたので最後の組み上げはとてもワクワクします。

9tool factoryショコラモデルキャッチャーミット完成

革の裁断から始まり、各パーツの作成、組み上げなど多数の工程を経て今回ショコラモデルが完成しました!

今回のショコラモデルは、国産のステアレザーを使用した硬式軟式兼用モデルとなります。お

オイリーで厚みがしっかりしているこのレザーでボリューム感のある渋いキャッチャーミットが完成しました。

また、捕球面のハリ感、手入れ時のフィット感も高いレベルで実現しています。

いくつもの工程を全て手作業で行うことによりハンドメイドならではの温かみのある作品に仕上がっています。

さいごに

現在キャッチャーミットをメインに作成していますが、実はファーストミットも作成しています。

今後はそちらも力を入れて作成していきたいと思います!

最後まで読んでいただきありがとうございました!